食事を拒否される場合の対処法

認知症患者に食事拒否をされないためには、患者の好物を中心とした、バリエーション豊かな食事作りをすることが大切だ。食事拒否の理由は、食欲の減退と関係している可能性が高い。減ってしまった食欲を取り戻すためには、患者の好物を並べて、自然と食欲を刺激することが効果的だ。そして、味付けをできるだけバリエーション豊かにするという方法もある。同じ食材でも和食や洋食、中華と味付けを変えるだけでも、患者の食欲を刺激し、食べたいという気持ちを増幅させるのだ。食事拒否をされないためにも、患者の興味をそそるようなメニューを意識的に作るといいだろう。

そして、認知症患者が食事拒否をしないためには、環境作りも必要だ。賑やかな声や音がする場所を嫌う患者の場合は、パーテーションなどで周囲を隠したり、別の部屋などを用意して、落ち着いて食べることができるように工夫をする。テレビや音楽なども気が散るため、流さないようにするといいだろう。認知症患者のなかには、一つのことにしか集中できないタイプの人もいる。食事中の会話は、味付けや食感、更には栄養に関することなど、食材に関する話題をすることで、興味を目の前の食事に集中させるようにすることを心がける。更に、食事中に尿意を催すと、集中できずに残してしまう傾向にあるため、食事の前には、トイレを済ませるように誘導しておくように心がける。食事拒否をされないためには、患者の環境を整えることも大切だ。